がらくた置き場

がらくただけど、心を込めて。

マトモなKVMスイッチが欲しい。結局無いのでKMスイッチを用立てる。

マトモなKVMスイッチが欲しいんですよ。

でも無いんですよ。じゃあ組み合わせでなんとかしちゃいましょう。

 

昔からある奴使えば?

それがねー、最近のキーボードって多機能、高性能に進化していってるもんで、大抵非標準デバイスなんですよね…

だもんで、昔からあるキーボードエミュレーターが搭載されたKVMスイッチは現代の環境において上手く動かないのです。

 

最近はゲーミングキーボードとかいって、
「全キー同時押し可能」
みたいな奴が居たりするじゃないですか。*1

しかし、USBキーボードは仕様上6キーまでの同時入力にしか対応しておりません。

 

イニシエのPS/2キーボードは
「キーの押し込みと解放を信号としている」
ために全キー同時押しも可能なのです。

しかし、一方でUSBは
「今押されているキーはこれだ」
という信号の送り方をします。

その上で、USBの信号パケット一つで
現在入力中のキーレポートを完結させる単純な仕様のため、
6キーまでの縛りがあるわけです。

 

で、これを解決するために、最近のキーボードは
もはや単純なキーボードでは無くなっているわけです。

 

たとえばRealforce TKL SA / R2TLSA-JP3-IVだと、こうです。

普通のキーボードから溢れた入力キーは仮想キーボードに流して、
さらに拾えなかった分は仮想キーボードに取り付いてる
独自のHIDデバイスで拾う感じですかね。

最後のよく分からん奴はおそらくキーボードのファームウェア設定用。

 

この辺、各社色々な実装をしてくるわけで、
キーボードエミュレーター作るのも簡単じゃあありませんよ、という。

 

キーボードエミュ、もういらない

今時のパソコンはUEFIやOSでHIDの挿抜を面倒見てたりするもんで、
キーボードやマウスが一時的に居なくなったからって
そのまま操作不能になるような事態もそうそう起きません。

古いソフトを使う上では必要になることもあるのですが、
そういう時は無線キーボードのレシーバを刺しておく方が安全確実です。

というわけで、僕としてはUSBの切り替え器があればそれだけでいいのです。

 

そんなの、もうあるじゃん

まぁ、そうは言うけどさー

これらはね…

  • トグル切り替えのみ
    PC2→PC1の切り替えはポチポチやる必要がある
  • ケーブルが前後に伸びる
    このため、結構広い置き場を必要とする
  • ハブ入り
    ハブが問題を起こした時は詰む。

こういった問題を持つことから、案外使いにくいのです。

 

じゃあこれ

理想的だったんですが、先日壊れました。

頻繁に切り替えてたもんでか接点不良が発生しちゃいまして、
この辺はやっぱ電子式のが信頼性高いんだなぁ、と。

積み上げが可能で横から押して使える無二の特徴を持つため、
まだ生きてる分はそのまま使い続けようと思います。

 

これらで充分って方はこれらを使えば良いと思います。

 

で、やっと本題の作った奴

要は信頼性の高いスイッチとハブを組み合わせてしまえばいいわけです。

また、これで大半のポートを後ろ側に纏めてしまうことができます。

 

 

USBハブ機能付きとか言ってるけど、おそらくレピーターの間違いかと。

とりあえず、ホストからハブと認識されるデバイスでは無いです。

 

USBハブは、もはやガチャと言って良いかなってぐらい
中身が不明の地獄みたいな界隈なのですが、
このハブはmicrochipのUSB5744が確定で入ってて安定性抜群な上、
不安定なら自動で再接続までやってくれる優れもの。

問題はお値段。だいたい6000円前後とUSBハブにしては異様に高価。

本来の使い方はフリーズしたデバイスを強制再起動させるといった、
かなり特殊なモノなので仕方ない。
また、その用途の特殊性からセルフパワー専用という問題もある。

 

スイッチとハブを繋げる際にケーブルの取り回しをコンパクトに纏める。

 

なお、ケーブルを右回りで引き回したい場合はコッチです。

 

 

ところでVはどこに行った

ビデオ切替はもう諦めましょう!

HDMI切り替え器もDisplayPort切り替え器も、
ポートエミュレーターが無いのが絶望的にダメ。

画面を切り替える度にデスクトップがグチャグチャに崩壊する。

こんなんじゃ便利でも何でも無いよ…

 

まぁ、根っこを言えば、この辺の挙動はHDCPが犯人なんですけどね…

www.itmedia.co.jp

こう、単純に電気的配線を切り替えた際に、
ホスト側が切り替えられている事に気付かない形で切り替えてしまうと、
著作権保護の鍵が合わなくなっておかしなことになっちゃうわけです。

では、ホストが切り替えられてると気付く形で切り替えると、
それはそれでディスプレイとホスト間で再認証作業が発生するため、
ディスプレイの切り替えにダラダラと時間がかかっちゃうのです。

こう時間が掛かるだけなら兎も角、
PCの場合はデスクトップの再構築が始まるもんで、
ゲーム中にうっかり画面を切り替えようもんなら大惨事よ…

 

このように、近年の映像切り替え器はマジで使いもんにならなくなりました。
特にHDCP2.2の普及とSilicon Imageの衰退でトドメ刺された感じですね。

著作権保護とかの中継ぎをして、前述のような破綻が起こらないように
ポートエミュレーションなどの処理をしてくれるチップがあるわけですが、
コレをきちんと実装してくる切り替え器メーカーがないんですよね…

「ポートプロセッサ」って聞いても「なんのこっちゃ?」ってなるでしょ?

まぁ、「4PCの切り替えで5万円でーす」とか、「誰が買うんだ?」ってなるわけで…

著作権保護を切って使いましょってのも、ちょっと現実的とは言い難い。
それやっちゃうとAmazonプライムビデオとかネトフリとかも見れないわけで。

だからKVMスイッチ界隈は滅びつつあるわけです。

 

ところで、KVMスイッチが滅びかけてるのに、
なんでポートプロセッサは元気に生産されてるかって、
そりゃあ搭載製品があるからに決まってます。

 

つまりこういうこと。

5万円のKVMスイッチはありませんが、5万円のAVアンプはあるのです!

 

もっとも、AV機器に無い解像度を持つディスプレイには対応しないという、
PCユーザーにとってはメチャクチャに酷い欠点こそあるものの、
音と映像の切り替えはオーディオ・ビジュアルのコントロールが本職だけに、
圧倒的に出来て当たり前の機械なのよね。

流石に昔の切り替え器みたいに一瞬で切り替えは出来ないけれど、
大抵2~3秒で切り替え完了するんで快適さは段違いです。

 

ともあれ現状、快適なディスプレイの切り替えについては
メチャメチャにハードルが高いです。

いやもうホント、どうにかならんかねぇ、この状況…

*1:連弾でもするんでしょうか?